かもめのはとば Re:[2]

やわらか系、モバイルとかアプリとか法律とか色々。

Appleが日本に研究開発拠点を置いたのってなんでだろうね。というのをモヤっと考えてみた



「Appleが日本に研究開発拠点」と安倍首相が明らかに - ITmedia ニュース

首相が明らかに、ってところも含めてなんだかビックリなニュースです。
だいたいアジア圏だと中国圏か、もしくはシンガポールあたりに拠点を置く例が多いような気がするのですが…。

いくつかもやもやと日本にアドバンテージがある理由を考えて見ました。
お約束ながら全部憶測です。

 

■Appleシェアの高い日本

日本は他国と比べかなりiPhone比率が高い、という調査結果が多々出ています。

日本は世界一の「iPhone王国」 特異な市場シェアを生み出した意外な理由 | 東京IT新聞

自社のプロダクトがかなりの割合で使われている市場で、その使われ方に即したプロダクトを考える、というのは一理あります。

 

■売上げ規模の高いコンテンツを生み出す日本

LINE、パズドラ、そしてモンストと日本は世界一高い売上げ規模を誇るアプリを次々と産みだしています。

【App Annie調査】ガンホーの「パズドラ」が世界一に…パブリッシャーでも首位 | Social Game Info

更に、フィーチャーフォンの頃から携帯電話決済になれた日本市場は世界で一番アプリの市場規模が大きな市場となっています。

1年で3倍!日本のアプリ市場が世界一に 海外「将来性大きい」と熱視線 | ニュースフィア

 

■モバイルに対する規制や議論も進んでいる日本

欧州や米国では昨今、フリーミアムモデルでの未成年の重課金が問題になっています。
AppStoreもその例に漏れず、「無料」ボタンを「入手」にするなどの対策や、iOS内にて課金のペアレンタルコントロールを組み込むことを強いられています。

Apple、App Storeのダウンロードボタンを「無料」から「入手」に変更。EC対策か? - TechCrunch

しかしこの手の未成年問題や、迷惑メールに端を発する問題、詐欺サイト問題等、よくよく考えて見れば日本では既にフィーチャーフォン時代、SNSアプリ時代に通り過ぎ、議論が行われ、ある程度ユーザの認知がある問題なんですよね。

第1部 第2章 第2節 ( 4 )デジタルコンテンツの普及とそれに伴う消費者トラブル | 平成26年版 消費者白書 | 消費者調査 | 消費者庁

未成年保護 | CSR | 株式会社コロプラ【スマートフォンゲーム&位置ゲー】

保護者の皆さまへ - ケータイでのお金の使い方と対策 | 株式会社ディー・エヌ・エー【DeNA】

特定電子メールの送信の適正化等に関する法律

使う側だけでなく規制側、セーフティとしても日本市場は他国と比べ先に成熟している感があります。

 

■セルラー(携帯電話)での高速通信品質が極端に高い日本

狭い国土、高い人口密度、そして高い携帯電話普及率、かつその人数が一斉で電車で移動する日本は携帯電話サービスにおいてかなり特異な環境です。
一時期スマートフォンの普及で東京のパケット通信品質が壊滅的な状況になっていましたが、キャリア各社の努力もあって以前の高品質な状態に近い状況にまで戻ってきています。

日本は世界2位のLTE普及率を活かせば観光立国も夢じゃない? 2020年東京五輪までにできる対策 - ライブドアニュース

この「どこでも、手軽に、高品質な通信」が享受できる日本は、他国で同じ状況が確立されるまでの間の先端実験場としては最適なのではないでしょうか。

 

■モバイル決済先進国な日本

日本はSuicaを初めIC決済、モバイル決済のインフラが充実しています。
フィーチャーフォンからスマホ化する際に若干、モバイル決済に関しては逆戻りした感があるものの、各コンビニ、駅等ではほぼICでの決済が可能です。

電子マネーとおサイフケータイ利用に関するユーザー調査結果|電子マネー推進検討会 —電子マネーの普及に向けた活動—|おサイフケータイについて|FeliCa Networks

このあたりはAppleが現在力をいれつつある決済、Apple Pay等とも親和性が高く、また事例として取り込めるケースも多々あるのではないでしょうか。

 

色々なケースをもやもや考えてきましたが、ほぼフィーチャーフォンから各種の事例を積み上げてきた日本市場からは持って行けるものが多々あるのではないか?という点に尽きるのではないかと思います。

どうしてもスマホになると世界市場に目が行きがちですが、こういった身近な日本市場のアドバンテージに目を向けて、改めて考え直してみると面白いサービスが浮かぶのかな、と思った次第です。