「継続率」はとても大事な数字です
人気スマホゲームの、インストール14日後の継続率データ(アメリカ)
— アプリマーケティング研究所 (@appmarkelabo) 2017年6月28日
・マリオラン 15.3%
・キャンクラ 12.9%
・ポケモンGO 6%
・FEヒーローズ 5.9%
・クラロワ 5.7%
マリオランめっちゃ高いのが意外。https://t.co/ZsPyURYVLi pic.twitter.com/0ykJau3nFg
アプリマーケティング研究所さんがまとめていたこの数字、「継続率」。
実はとっても大事な数字なんですよね。
そもそも継続率ってなんなの?
ものすごくざっくりいうと何かのアプリを始めた人が○○日後に続けてくれている割合です。つまりちゃんと楽しいとおもって続けていてくれたり、ファンになって続けていてくれたりする人の割合。
この数字が低すぎる状態だと、どんなに広告にお金をかけても、どんなに口コミで広まってもどんどん人はやめていってしまいます。
逆にこの数字が高いとお客様がしっかりとどまり続けてくれるということ。とどまり続けてくれれば一定の割合でなんらかの購買を行ってくれる可能性もあります。とどまってくれないサービスではその可能性もありません。
ということでサービスが中期的に続くためには、とても大事な指標だということがわかると思います。*1
違う構造や客層のサービスを比べても意味が無いことも…?
ただ、この継続率という数字は結構クセのある数字だったりします。単純に横並びで複数のサービスを見比べると本質を見誤る事が多いです。
たとえば上記の事例であれば「マリオラン」に関しては課金形態が大きく違います。
フリーで遊べる部分が大きく制約されており、一回だけの課金で残り全ての部分を遊べるのです。
「その1度の課金を行った人は全部遊べるから長く遊ぶ」「課金を行った人は遊ばないと損と思うからやめない」。こういう行動に出やすいというのが容易に想像できるかと思います。
この情報 https://t.co/iSDFsoUywY (マリラン課金率10%未満)とこの情報 https://t.co/pxxERdSrUJ (マリラン14日継続率15%)をあわせるとみえてくるものちょっとある。
— Takashi kawai (@yrik) 2017年6月29日
「10%未満」っていう表現してるのですっごいすっごい強引に丸めて9%ぐらいだと仮定する。「買い切り課金した奴ぁ勿体ないから続ける」の法則に当てはめると14日継続15%のうち9%は「課金者の継続バイアスによるもの」。残り6%が非課金者/フリーミアム的利用者とみると…?
— Takashi kawai (@yrik) 2017年6月29日
承前、こうやってみると実際「マリオランの高い14日継続率」って実際のところFEヒーローズやポケモンGoとあまり変わらん数値になるという。
— Takashi kawai (@yrik) 2017年6月29日
「10%未満」から9%って数字を強引に当て込んだのでそこが数字遊び感ありありだけどまあそういうこと。
— Takashi kawai (@yrik) 2017年6月29日
同じロジックで想像すると「おそらくマリオランは1日や3日ぐらいでの継続率は極端に悪い可能性がある→無料で遊べる範囲をすぐに遊び尽くしてしまうかもしれないので」みたいな想像もできるでしょう。
キャンクラ(キャンディークラッシュ)に関しても同じような事が言えます。
このサービスに関しては他のアプリと比べ圧倒的に客層がカジュアルで、かつユーザの時間の占有度合いが低いです。つまりちょっとした暇に軽く遊べるのでユーザの負担が低く、かつステージ数も多いのですぐに離脱しない状況になっているということが想像できます。*2
この数字を分析上活かすためには「似たような傾向・客層のサービスであること」であったり、「同じサービスの別の期間と比べてどのぐらい改善したか」であったりのような視点が大事なのです。
たいていのサービスの中にはこの数字を改善するために色々な仕組み・取り組みが行われていたりします。そういう視点でサービスをちょっと見てみるのも面白いかもしれません。
追記
N日後を見る必要がある販売形態かって自分のサービス冷静にみれないとですね。月額だと初月、二ヶ月後とかですし。
— Takashi kawai (@yrik) 2017年6月30日
そうなんですよね、この辺りは本当にサービスの様態によって変わってきます。場合によっては翌年も継続してくれるかみたいな指標だったりするかもしれませんし、携帯電話の2年契約のようなものであればそれこそ「2ねんごと」の指標かもしれません。
今手元にあるサービスがどういうスタイルで提供されているか、どういうお客さん層かで変わって来るのは忘れてはいけないところかなーと思います。