スマホ版「ドラクエI」が28日に登場、先着100万人は無料 - ケータイ Watch
ドラゴンクエスト ポータルアプリ | SQUARE ENIX
本日11/28の0:00よりスクウェア・エニックスさんが往年の名作、ドラゴンクエスト(ドラクエ1)を先着100万人に無料配信しています。
※通常価格は500円とのこと。
しかし、いわゆる「基本無料」系、フリーミアムと呼ばれるアプリと違いドラクエはダウンロードすれば全て遊べるモデル。無料で配ると製作会社の収益は無くなってしまいます。
なぜこんな思い切った施策ができたのでしょう?
いくつか有りそうな点を考えてみました。
■話題性の提供
まずこれは絶対に有るだろう点。
普通にリリースするより「先着100万人に無料ダウンロード!」と打ち出したほうが圧倒的にインパクトがあります。そしてインパクトが強いということはその分ゲーム系のニュースやアプリ系のニュース、そして各種個人媒体等で大きく記事として取り上げられやすいということ。
無料にすること=収益減分は広告コスト
という構図です。
■ランキング上位の奪取
ここに絡んでくる重要な要素は「先着100万人」という点。先着という言葉って結構効力で、出遅れるとダウンロードできないのではないかとユーザに想像をさせます。ということで今日の0時から相当数のユーザがダウンロードを試みている筈です。
私も0時10分ぐらいにダウンロードを仕掛けました。
つまり早い段階で集中的にダウンロードが行われ、一気に無料ランキングを駆け上がっていくことになります。
現に4:00の時点でAppStoreでは無料ランキングのトップに達しました。とても早い!
AppStoreやGoogle Playは構造上、ランキング上位の目立つ位置にあるアプリはとても有利です。それだけでダウンロード数を稼ぐことができます。
先着にすること=有利な場所に商品を置くことができる
という形。
■ダウンロードするのは「ポータル」
ここが案外クセモノというか、策士です。
このアプリは「ドラクエ1」そのものではなく、「ドラゴンクエストポータルアプリ」なのです。なので起動するといきなりドラクエ1が始まるのでは無く、ポータル画面が表示されます。
ここからドラクエ1をアプリ内課金で有効化してプレイする(ここが初期は無料)仕組みになっているのです。
起動画面でいきなりゲームに行かずポータルと言うことは、続編をリリースしたときにドラクエ1をやっているユーザに対して効果的に訴求を行うことができます。
このポータルをダウンロードているユーザは「ドラクエというものに興味を持ってダウンロードした層」なので普通に他のアプリからユーザを流したりするより、高い購入率が期待できます。下手にコストをかけて広告を打つより効率的ですね。
つまり、ドラクエシリーズの単体のソフトで収益を上げるのではなく、シリーズ全体を使い効果的にユーザを流動させて収益を上げようというモデルなのです。
(あとは、ユーザがドラクエ1を終える前に適宜続編を投入できれば言うことはないですね…)
■そもそもコストが安価
これはリメイク系全般にいえることなのですが、やはりイチから開発するよりコストがだいぶ安くなります。グラフィック修正やアプリ最適化等の手数はかかっていますがゲームのデザイン、バランス、骨子を調整する手数は最小化できますから。
原価を下げれる分、ポータルの販促用に撒く敷居が低くなります。
4つほど考えられそうな点を羅列してみましたが、とても面白い販促事例だと思います。
この先続編がどういった形で投入されるのか、そして続編がどれぐらいの売上げを上げてくるのか注視してみたいと思います。
※追記
ふと考えてみればこの「ポータルアプリ内での課金による歴代のドラクエ解放」って、今後も同じ仕組みなので有れば全てのドラクエシリーズの売上げがこのポータルアプリに集中するってことですよね…。
これは人気のある数作が立て続けにでると売上げランキング上位常連になってくるかもしれません。。。
※さらに追記(2013/11/29)
http://gamebiz.jp/?p=124629
・限定100万ユーザ無料と打ち出すことでDL熱を集中、無料ランク1位をかっさらう
・重ねて上記で加速を促進することでIR的に撃込みやすい「100万DL突破」を迅速に出す
・更に100万DLを超えたら今度は期間限定を打ち出すことで限定感を創出、無料ランク1位を維持するということ
面白い攻め方するマーケッターの人がいるんだろうなー。
この流れで見ていると12/10(無料配信の最終日)までにドラクエIIかIIIが出てきて、そこでコンバージョンにつなげてポータル自体の有料ランクも駆け上がらせるつもりなんじゃないだろうか。
※後日談はこちらもどうぞ